⑥「備蓄の保管場所についての考え方」
防災用品を備蓄するのに企業で困ることの一つに、「保管する場所」があります。
防災用品を備蓄するのに企業で困ることの一つに、「保管する場所」があります。防災用品を社員や顧客の分まで備蓄するには相応の空間が必要になります。
一時的ならまだしもいつ起きるかわからない災害が発生するまでずっと保管しなくてはなりません。
東日本大震災から4年半が過ぎ、そのとき備えた防災用品が5年保存であれば買い替えの時期にあたります。災害直後は防災意識が高まり購入したものの、この5年の間に備蓄品で占められた空間に対しての企業の意識も変化し、備蓄スペースを見直し、防災用品の数を減らそうと考える企業もあるかもしれません。
しかし、東日本大震災を機に備蓄した防災用品は、当時その企業にとって必要なものを、検討に検討を重ねて選んだはずですから、おそらくどれも必要不可欠なものであるはずです。
数を減らそうと考える前に、防災用品を1か所にまとめておくという状況から見直してみましょう。災害が発生したら配るという負担を減らす意味でも、最初から社員に配布し、各々ロッカーや机周りなど個人のスペースのどこかに置いてもらうことも一案です。事前に配布物を確認して足りない物を自分で保管したりするなど社員一人一人に管理を任せるのです。
また、社員に配布するより、発災当日にいる社員に確実に届けたいという思いから配布をしたくないというのであれば、1か所ではなく分散しておく方法もあります。応急手当や担架、救助資機材は各階のように分散しておく方が効率的です。
災害用トイレも便座に被せるタイプならとレットペーパーの在庫と同じ場所に置く方が行動に無駄がありません。防災用品はどのタイミングでどこで使用するのかを想像し、効率よく運用できるように場所を見直すのも良いと思います。