⑦「社員の食物アレルギーの対応を考える①」
食物アレルギーについての社会の認知度が高くなったと感じます。
食物アレルギーについての社会の認知度が高くなったと感じます。実際、食物アレルギーは以前からありましたが、近年急増し全人口の1~2%が食物アレルギーを持っているとも言われています。
食物アレルギーは新生児や乳児が発症しやすいのですが、乳児期までに発症したものは成長とともに治癒する確率が高く、3歳までに50%、学童まで80~90%程度が自然寛解し、大豆・小麦・牛乳・卵の順で食べられるようになります。
しかし、これも個人差があるので長引く場合もあるほか、甲殻類、魚類、果物、そば・ピーナッツ・果物などのアレルゲンを成人までの成長の中で新規に発症した場合、治りにくいといわれています。
アレルギー症状で最も多いのが皮膚症状(じんましん、痒い、皮膚が赤くなる、顔が腫れるなど)ですが、ほかにも呼吸器症状(咳、ゼイゼイする、呼吸困難)、粘膜症状(口が腫れる、目が赤くなる腫れるなど)、消化器症状(腹痛、吐く、むかむかする、下痢)、ショック症状(血圧低下、意識障害など)があります。アレルギーの発症件数が多いのは卵・乳・小麦・えび・かにで、症状が重篤になることが多く生命に関わるのが、そば・ピーナッツです。
食物アレルギー発症者が年々増加していることから、食物アレルギーによる事故を未然に防ぐように、発症件数が多いものや、発症した際の症状が重いものについて、食品に使用した場合の表示が義務付けられています。 必ず表示されるものは、卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かにです。この表示によって食物アレルギーのある方は、重篤なアレルギー症状が起きるのを避け、食べても安心な加工食品を選べることができるようになります。
さて、こういった状況の中、災害時の非常食の対応について企業ではどのような対策をすべきなのでしょうか。それは次回に紹介します。