⑧「社員の食物アレルギーの対応を考える②」
前号では、食物アレルギーについて紹介しました。今回は、その状況を受けて企業では災害時にどのような対応が必要かを考えてみましょう。
前号では、食物アレルギーについて紹介しました。今回は、その状況を受けて企業では災害時にどのような対応が必要かを考えてみましょう。
給食を提供する園や学校では、食物アレルギーの子どもが増えていることから、保護者から食物アレルギーの情報を得て、アレルギーを発症する食物の除去に積極的に取り組んでいます。
しかし、企業では社員が各々で食事をするため食物アレルギーの情報を企業が把握していない場合がほとんどです。カフェテリアのある企業であっても、メニューにアレルギーへの配慮をしていても、その情報を企業が把握しているとは限りません。
それでも、平時はとくに困ることはないのですが、災害時は問題が出るかもしれません。社員に配る非常食を備蓄していた場合、それが食べられない社員がいることも考えられるからです。
社員数が少ないなら各社員に配慮した対応も可能かもしれません。しかし社員数が多い場合や少数であっても社員の入れ替わりが頻繁である場合、きめ細やかに食物アレルギーに配慮した非常食を用意するのが難しいことも考えられます。さらに、自分のアレルギーについて知られたくないと考える社員もいるかもしれません。
その解決策として全ての食事をアレルゲン原材料を使用していない食品にするという方法があります。これなら、災害時の混乱のなか誤って配食しても重篤なアレルギー症状を起こす危険を避けることができます。災害時に食品の調達が困難ななか、知らなかったでは済まされませんから、非常食を選ぶ際には、このような視点で選ぶのも良いと思います。